2026.02.14案内人:成川 潤
森の呼吸を止めないように。Junshinが大切にしている「間伐(かんばつ)」という敬意。
里山を守るために木を伐る。
この一見矛盾するような行為の根底には、森への深い敬意と「間伐(かんばつ)」という技術があります。
山を丸裸にする「皆伐」は、短期的には効率が良いかもしれません。
しかし、それは山に住む生き物たちの居場所を奪い、急斜面の土壌を弱めるリスクを孕んでいます。
Junshinでは、森全体のバランスを見極め、必要な木だけを一本ずつ選び抜いて伐採する手法を大切にしています。
なぜ、一本ずつ選ぶのか。それは、森に「光」と「風」を届けるためです。
密になりすぎた森では、木々が互いに光を奪い合い、足元まで日光が届きません。
その結果、下草が育たず、保水力を失った土は痩せ細ってしまいます。
適切な択伐は、森に呼吸をさせ、残された木々をより健やかに育てるための、いわば「森のメンテナンス」なのです。
【山のてっぺんから、未来の里山を創る】
「山がダメになると、川も、海もダメになる」。
環境保全を学ぶ中で、私はこの言葉の重みを痛感しました。
森は、単なる木材の供給源ではありません。
あらゆる生命を支える母体であり、私たちの暮らしの根幹を支える「山のてっぺん」なのです。
だからこそ、私たちは、森の将来を傷つけない方法で、
その恵みを少しだけお裾分けしてもらうという姿勢を忘れません。
私たちが択伐によって切り出した木には、森全体の健康を想う気持ちが込められています。
一本を伐ることで、周囲の木々がより多くの光を浴びて、大きく枝を広げる。
その循環の中に、私たちの仕事があります。森の呼吸を止めないように。
そして、次の世代もこの豊かな里山と共に歩めるように。
私たちは今日も、阿賀野の山林で慎重に、そして敬意を持って一本の木を選んでいます。
案内人:成川 潤 [Junshin-潤森- 代表 ]
林業家、木工家、ウッドライフクリエイター
新潟県阿賀野市の里山を拠点に、あなたと森を繋ぐ「つなぎ役」を務めています。

