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2026.02.14案内人:成川 潤

新潟の冬を越えた木は、なぜこんなに粘り強いのか。過酷さが育む「芯の強さ」。

日本各地に素晴らしい森はありますが、私たちが拠点とする新潟の里山には、
他にはない際立った特徴があります。それは、冬の「重い雪」です。

新潟の雪は水分を多く含み、ときには屋根を押し潰すほどの圧倒的な重さになります。
そんな過酷な環境下で、何十年もの間、雪を背負い続けて育った木々には、
暖かい地域で育った木にはない、驚くべき「芯の強さ」と「粘り」が宿っています。

雪に鍛えられた、繊維の密度

想像してみてください。毎年冬になるたび、数メートルの雪に押し潰され、
地面に這いつくばるようにして耐え忍ぶ木々の姿を。
彼らは、その重みで折れてしまわないよう、
細胞の密度を極限まで高め、繊維をしなやかに、かつ強靭に鍛え上げていきます。

このプロセスを経て育った木材を、私たちは「粘りがある」と表現します。
削ってみるとよくわかるのですが、刃を入れたときに繊維がボロボロと崩れることがなく、
弾力を持って刃を押し返すような感触があります。この粘りこそが、
加工した後の美しさと、道具としての圧倒的な耐久性を生み出すのです。

「根曲がり」こそが、雪国の生命力の証

以前もお話しした「根曲がり材」は、まさにこの雪国ならではの芸術品です。
斜面で雪の重みを逃がしながら、それでも光を目指して空へと
立ち上がろうとした軌跡が、その曲がりとなって現れます。

市場では「加工しにくい」と敬遠されることもありますが、その内部には、
過酷な環境を生き抜くために蓄えられたエネルギーが、複雑に入り組んだ「杢(もく)」となって現れます。
「綺麗に、真っ直ぐ育った木」も良いですが、私はこの、泥臭く、
不器用でも力強く生き抜いた雪国の木の姿に、たまらなく惹かれます。
それは、ただ美しいだけでなく、見る者に生きる力を与えてくれるような、確かな手応えを持っているからです。

芯のある道具を、あなたの毎日に

雪国の木で作られた道具は、少々のことではへこたれません。
使い込むほどにその強さは安心感へと変わり、あなたの手に馴染んでいきます。

「冬があるから、春の輝きが増す」
新潟の木を見ていると、自然界のそんな真理を教えられる気がします。
Junshinがお届けするのは、単なる木材ではありません。
新潟の厳しい冬を、自らの力で乗り越えてきた「生命の結晶」です。
その芯の通った強さを、ぜひ日々の暮らしの中で感じてみてください。
どんなに時代が移り変わっても、決して揺らぐことのない本物の温もりが、そこにはあります。

案内人:成川 潤 [Junshin-潤森- 代表 ]
林業家、木工家、ウッドライフクリエイター
新潟県阿賀野市の里山を拠点に、あなたと森を繋ぐ「つなぎ役」を務めています。

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