2026.02.17案内人:成川 潤
効率よりも、指先の感覚を。自分で削り出したスプーンは、どんな名作よりも愛おしい。
今の世の中、お金を出せば世界中の名作椅子や、完璧なフォルムのカトラリーが翌日には玄関に届きます。
それはとても便利なことですが、どこか「自分の人生の手応え」が薄れてしまっているような気がしませんか。
Junshinがあなたに提案したいのは、あえて効率を捨て、自分の指先の感覚だけを頼りに、一本のスプーンを削り出すという贅沢な時間です。
100円のスプーンと、10時間かけて削ったスプーン
市販のスプーンに比べれば、あなたが初めて削った一本は、形がいびつで、厚みも不揃いかもしれません。
けれど、その一本を口に運んだとき、不思議なほど「美味しい」と感じるはずです。
それは、あなたがサクラの木を選び、その香りに包まれ、指先に豆を作りながら、
一削り一削り「命を形に変えてきた」という実感が、最高の調味料になっているからです。
自分の手で何かを作り出す行為は、現代社会で失われがちな「自己効力感」を驚くほど高めてくれます。
AIが何でも答えを出してくれる時代だからこそ、
自分の手でしか生み出せない「不器用な正解」に、私たちは深く癒やされるのです。
「動的瞑想」としてのスプーン削り
作業場の静寂の中で、木を削る音だけが響く。
シュッ、シュッ、と小気味よい音と共に、丸まっていたサクラの繊維が剥がれ落ちていく。
そのとき、あなたの脳内では「タイパ」や「コスパ」といった平日の喧騒が消え去り、
ただ「今、この瞬間」の指先の感触だけに意識が集中していきます。
これが、Junshinが大切にしている「動的瞑想(禅)」の時間です。
180番、240番、そして400番とヤスリをかけていくたびに、
木はあなたの問いかけに応えるように、その肌を滑らかに変えていきます。
その変化を指先で確認するたび、あなたの心もまた、優しく研磨され、整えられていくのを感じるはずです。
世界に一つだけの、あなたの「分身」
完成したスプーンをオイルで仕上げる瞬間、木の木目がパッと浮き上がり、命が吹き込まれる。
そのとき、あなたはきっとこのスプーンを「単なる道具」とは思えないはずです。
それは、阿賀野の森の命と、あなたの人生の時間が重なり合って生まれた、世界に一つの作品です。
Junshinは、そんなあなたの「物づくりの冒険」を支えるために、
最高に削り心地の良いサクラやクルミの材を準備しています。
上手に作ろうと思わなくて大丈夫です。
ただ、木に触れ、自分の感覚を信じて刃を動かしてみてください。
その先にある「名作を越える愛おしさ」を、ぜひあなたにも知ってほしいのです。
案内人:成川 潤 [Junshin-潤森- 代表 ]
林業家、木工家、ウッドライフクリエイター
新潟県阿賀野市の里山を拠点に、あなたと森を繋ぐ「つなぎ役」を務めています。

