2026.02.21案内人:成川 潤
響くのは、命の残響。楽器自作者が、Junshinの「新潟の木」を指名するわけ。
スピーカーの筐体を作られる方や、ギター、ウクレレといった楽器を自作される方。
こうした「音」を扱う表現者の皆様から、最近Junshinの材に熱い視線が注がれています。
なぜ、彼らは大手メーカーの均一な木材ではなく、阿賀野の里山で育った、
少し「癖」のある広葉樹を指名するのでしょうか。
それは、木というものが単なる箱の材料ではなく、音を響かせ、増幅させ、
色を付ける「楽器そのもの」であることを、彼らが本能的に知っているからです。
土地の記憶が、音の厚みを変える
木は、育った土地の記憶をその密度や硬さに刻み込みます。
新潟の重い雪に耐え、ゆっくりと、しかし確実に年輪を重ねたサクラやケヤキ。
その繊維は非常に緻密で、叩いてみると、コンコンと高く、澄んだ音が響き渡ります。
「Junshinの材でスピーカーを作ると、低音の締まりが違うし、高音に森の静寂が混じる気がする」。
そんな嬉しいフィードバックをいただくたびに、
私は木の命が「音」となって生き続けていることを実感します。
油分が守る、音の「艶」と「潤い」
音の響きにおいて、木の「乾燥状態」は致命的な影響を与えます。
高熱で油分を抜いてしまった人工乾燥材は、音がどこか「カサついて」聞こえることがあります。
一方で、天然乾燥によって油分と柔軟性を保った材は、音の振動を優しく、
それでいて豊かに伝え、響きに「潤い」をもたらします。
これは、演奏家が「古いバイオリンは枯れているのに潤っている」と表現する、
あの矛盾した理想の状態に近いものです。私たちは、風の力を借りて、その「鳴る木」を育てています。
阿賀野の森の「残響」を、あなたの作品へ
楽器やスピーカーを作ることは、木に新しい「声」を与えることです。
あなたが選んだ一枚のトチやサクラが、あなたの手で形を変え、音を奏で始める。
そのとき、その音の中には、阿賀野の森の風の音や、雪の重み、
そして私たちが山で流した汗の記憶が、かすかな残響として混じっているはずです。
「世界に一つ、自分だけの音を創りたい」
そんな純粋な情熱を持つ表現者の皆様へ。
阿賀野の森が育んだ、至高の「響く命」を、心を込めてお届けします。
案内人:成川 潤 [Junshin-潤森- 代表 ]
林業家、木工家、ウッドライフクリエイター
新潟県阿賀野市の里山を拠点に、あなたと森を繋ぐ「つなぎ役」を務めています。

