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2026.02.12案内人:成川 潤

雪の重みに耐えて、ゆっくりと。新潟の「根曲がり材」に宿る、不屈の美しさを。

新潟の厳しい冬。音もなく降り積もる雪は、ときに数メートルもの高さに達します。
その圧倒的な重みに耐えかね、多くの木々は地面に這いつくばるようにして幼少期を過ごします。
そうして育った木の根元は、ぐにゃりと大きく曲がります。これが、私たちの誇る「根曲がり材」です。

市場が捨てた「厄介者」に、最高の価値を

実は、一般的な木材流通の世界において、根曲がりは「厄介者」として忌避されてきました。
真っ直ぐな木材に比べて製材の手間が数倍かかり、歩留まり(一本の丸太から取れる製品の割合)も悪いからです。
多くの現場では、こうした材は価値がないものとして、山に捨てられるか、チップにされるのが関の山でした。
しかし、私はそこに、他にはない圧倒的な美学を感じてしまいます。
雪の重みに耐え、それでも光を求めて空へと立ち上がった木の根元には、
信じられないほど複雑で、力強い「杢目(もくめ)」が刻まれています。
それは、木が生き延びるために細胞レベルで蓄えた、不屈のエネルギーの結晶。

Junshinでは、このSSR(スーパースペシャルレア)とも呼べる希少な表情を、
あえて手間をかけて、あなたの手元へ届けることにこだわっています。

「不屈」を形にするための、真剣勝負

根曲がり材を製材台に乗せるときは、いつも以上に背筋が伸びます。
どの角度で刃を入れれば、この木が最も美しく輝くか。
真っ直ぐな板を作るのとは訳が違います。
木目の中に隠された「嵐のような杢」をいかに引き出すか。

それは、長年の経験と、木に対する深い敬意がなければ成り立たない真剣勝負です。
もし、あなたが手にした板に、激しいうねりや不思議な模様があったなら、
それはその木が雪国新潟で戦い抜いた「勝利の記録」だと思ってください。
整然とした美しさにはない、野生の生命力が宿る一枚。
それは、あなたの暮らしの中で、困難に立ち向かう静かな勇気を与えてくれる存在になるはずです。
効率という物差しでは測れない、木の本音を、ぜひ指先で受け取ってください。

案内人:成川 潤 [Junshin-潤森- 代表 ]
林業家、木工家、ウッドライフクリエイター
新潟県阿賀野市の里山を拠点に、あなたと森を繋ぐ「つなぎ役」を務めています。

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