2026.02.13案内人:成川 潤
指先で感じる、しっとりとした木の潤い。それは、風と月日が乾かした「本物の証」。
Junshinの板に触れたお客様の多くが、驚きを持ってこうおっしゃいます。
「なんだか、吸い付くような潤いがありますね」と。
その秘密は、私たちが頑なに守り続けている「天然乾燥」という手法にあります。
現代の木材流通において主流となっているのは、大型の機械で高温の熱を加え、
短期間で水分を飛ばす「人工乾燥」です。
しかし、Junshinではあえて、阿賀野の風と月日に身を委ねる、古来の道を選んでいます。
なぜ、そこまで手間と時間をかけるのか。
それは、木の中に眠る「油分」と「粘り」を守るためです。
人工乾燥では、熱によって木の細胞が壊れ、大切な油分までが水分と共に抜け落ちてしまいます。
そうなると、木はカサカサとした、いわば「死んだ」状態になってしまいます。
【風が育てた、一生ものの手触り】
私たちが大切にしている天然乾燥は、新潟の四季をそのまま木に染み込ませるプロセスです。
夏は湿気を吸い、冬は雪国の寒さに耐える。
そうして数年の月日をかけてゆっくりと乾かされた木は、細胞が壊れることなく、
本来のしなやかさと艶を保ち続けます。
このプロセスを経て初めて、手にしたときに「生きている」と感じさせる、
しっとりとした潤いのある質感が生まれるのです。
この質感は、単なる感触の良さだけではありません。
油分がしっかり残っている天然乾燥材は、加工の際にも粘り強く、刃物が滑らかに入ります。
そして何より、使い込むほどに中から美しい艶が滲み出し、
100年後のアンティークになり得る風格を育んでいくのです。
効率を優先すれば失われてしまうこの「木の生命力」を、
私たちは一分一秒、風の力を借りて守り抜いています。
案内人:成川 潤 [Junshin-潤森- 代表 ]
林業家、木工家、ウッドライフクリエイター
新潟県阿賀野市の里山を拠点に、あなたと森を繋ぐ「つなぎ役」を務めています。

