2026.02.13案内人:成川 潤
丸太一本と向き合う、静かな対話の時間。効率を捨てて見えてきた、木の本音です。
Junshinの工房には、自動化された巨大な機械はありません。
そこにあるのは、木と向き合い、その声を聞き分けるための道具と、静かな時間だけです。
現代の木材加工は、中国などの大規模な工場に見られるように、高度な自動化が進んでいます。
それはそれで素晴らしいことですが、Junshinが目指すのはその対極にある「対話」を重んじる物づくりです。
丸太一本を前にしたとき、私はまずその「本音」を探ります。
この木は、どの方向から雪の重みを受けてきたのか。中にはどんな複雑な杢目が眠っているのか。
効率を優先して規格品を切り出すだけなら、機械に任せれば済みます。
しかし、私たちはその木が持つ「美しき欠点」さえも、最大限に活かしたいと考えています。
【無心の中で、木と溶け合う瞬間】
木と向き合う時間は、私にとって一種の瞑想のようなものです。
ヤスリをかけたり、ノミを動かしたりする単調な動作の中に没頭していると、
いつしか雑念が消え、自分と木との境界線が曖昧になる瞬間があります。
それは、最近注目されている「没入型ウェルネス」や「動的瞑想」にも通じる、
現代人にとって最も贅沢な癒やしの時間かもしれません。
市場では価値がないとされる「根曲がり材」であっても、手間を惜しまず、
じっくりと対話すれば、信じられないほどアグレッシブで美しい表情を見せてくれます。
効率を捨て、一つひとつの工程に自分の魂を乗せる。
そんなアナログで不器用な手法だからこそ、機械では決して作り出せない、人の心に響く「温度」が宿るのだと信じています。
案内人:成川 潤 [Junshin-潤森- 代表 ]
林業家、木工家、ウッドライフクリエイター
新潟県阿賀野市の里山を拠点に、あなたと森を繋ぐ「つなぎ役」を務めています。

