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2026.02.15案内人:成川 潤

市場が見放した形に、至高の美を。捨てられるはずだった木に、新しい価値を添えて。

大きな製材所や建材メーカーの基準では、
木の価値は「歩留まり(どれだけ効率よく製品が取れるか)」と「欠点のなさ」で決まります。
節がなく、真っ直ぐで、幅が広い板。それが「良い木」とされ、高値で取引されます。
その一方で、個性が強すぎる曲がった木や、虫が食べた跡がある木、
激しいうねりを持つ木は「価値がない」とされ、山に捨てられたり、ただのチップにされたりしてきました。

けれど、Junshinの考え方は全く逆です。
私たちは、市場が見放したそんな「厄介者」の中にこそ、他にはない至高の美しさが眠っていると考えています。

傷跡さえも、デザインの一部として

例えば、カミキリムシが空けた小さな穴。
一般的な建材としては致命的な欠陥かもしれませんが、
それを「この木が森で他の生命と共生してきた証」として捉え直したらどうでしょう。
その穴をレジンで埋めたり、あえてそのまま活かしたりすることで、
工業製品には絶対に出せない、唯一無二の表情が生まれます。

また、雪の重みや様々なダメージで折れ、そこから必死に再生しようとした痕跡が作る「入り皮」や「縮み杢」。
これらは木にとっての「傷跡」ですが、私たち人間にとっては、
自然界の激しさと生命の強さを物語る、最高のアートピースになります。
私たちは、こうした「不完全な美」を、阿賀野の里山からの贈り物として、大切に形にしています。

「捨てる」を「生かす」へ変える、林業家の目

私が山に入るとき、一番ワクワクするのは、市場価値がないとされている「変な形の木」に出会ったときです。
「この曲がりは、最高に格好いいベンチの脚になる」「この複雑な根元は、レジンテーブルに沈めたら宇宙のようになる」。
そうして、捨てられるはずだった命に新しい名前を与え、価値を吹き込むこと。
それが、里山再生を掲げる私たちの誇りです。安価に大量生産された「綺麗なだけの木」に囲まれるよりも、
傷だらけでも力強く、ストーリーを感じさせる木と共に暮らす方が、ずっと心が豊かになると思いませんか。

あなたの感性が、木を救う

私たちがヤフオク店や工房でご紹介している「面白い材」たちは、あなたの自由な感性を待っています。
常識にとらわれず、その木の個性を面白がってくれる方が増えるほど、守られる里山も増えていきます。
「欠点」を「個性」へと読み替え、慈しむ。その優しいまなざしこそが、
これからの時代に必要な豊かさなのだと、私は信じています。
阿賀野の森が育んだ、不器用で、愛おしい命たち。
その「至高の不完全さ」を、ぜひあなたの手で完成させてあげてください。

案内人:成川 潤 [Junshin-潤森- 代表 ]
林業家、木工家、ウッドライフクリエイター
新潟県阿賀野市の里山を拠点に、あなたと森を繋ぐ「つなぎ役」を務めています。

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